動物を救うだけじゃない。社会を守ることも獣医師の仕事です。
食品安全と動物福祉の確保、感染症対策をするのも獣医師の仕事です。人と動物が共生するために、
公衆衛生への理解を深めてほしい。あなたの獣医師観が変わるインターンシップ。ぜひ、ご参加ください。
公衆衛生獣医師の主な仕事
食の安全を守る
普段私たちが食べている肉は、公衆衛生獣医師によって厳しく検査されています。
また、食中毒の調査、スーパーや飲食店で食品の取り扱いの監視や指導を行い、食の安全を守っています。
感染症の対策
狂犬病やBSEなどの人獣共通感染症への対応も、公衆衛生獣医師の重要な仕事です。
各地域の疾病発生状況の監視や、人への感染防止対策などを行い、
様々な側面から感染症の発生を予防しています。
動物福祉の確保
動物の生活を守り、人と動物の共生できる社会をつくるのも、獣医師の役割です。
動物とのふれあい体験などを通じて、動物愛護の精神と適正な飼養方法の普及や、
飼い主がわからない動物の保護や管理を行っています。
公衆衛生に従事する獣医師へのインタビュー
神奈川県食肉衛生検査所 精密検査課
近藤 理恵さん
──── 今のお仕事について教えてください。
2012年から神奈川県の食肉衛生検査所で豚肉・牛肉の検査を行っています。食肉はまず肉眼で検査し、判断がつかない場合に精密検査にまわすのですが、私はその中の細菌検査を担当しています。食の安全に貢献できるやりがいのある仕事ですし、多くの人の健康に直結するので、日々緊張感をもって取り組んでいます。
──── なぜ公衆衛生獣医師の道を選んだのですか?
小動物臨床と公衆衛生の両方に興味があったのですが、卒業してから4年間は動物病院で働きました。しかし、食中毒や鳥インフルエンザのニュースを耳にするうちに、公衆衛生獣医師として広く社会に貢献したい、という気持ちが強まり、転職を決めました。
──── 働いてみてわかったことなどあれば、教えてください。
学生のときは知らなかったのですが、公衆衛生獣医師の仕事はとても幅広いんです。私が従事しているのは食品衛生の仕事ですが、たとえば保健所では、美容院や温泉などの公共施設が衛生的に保たれているかを検査したり、動物保護センターでは動物愛護の普及啓発をしたり。数年ごとに異動があり、様々な業務に携わるので常に勉強が欠かせませんが、獣医師の幅広い知識や技術を活かすことのできる、素晴らしい仕事だと思います。
獣医学生の皆さんへのメッセージ
自分にどんな仕事が合っているかを知るには、まずは体験することだと思います。それは就職という形でなくても、様々な職場での実習を通じて、学校では学べない実際の仕事を知っていただきたいですね。私が学生だった頃は、公衆衛生の現場に行ってみたくても行けない人が多かったので、実習を支援してくれるVPcampがせっかくあるのだから、皆さんにはぜひ活用してもらいたいですし、羨ましいですね。私が学生の時もあればよかったのにって、すごく思いますよ。